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ゲームにおけるバグの貢献
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バグに関することを具体例を交えてコラムにしました


Nohm



  バグに関する予備知識 


そもそも
バグ【bug】とは辞書的には「虫」という意味を持っています。
どうしてこのような名前がつけられたのでしょうか?
それは,データを
虫食い状態にしてしまうからです。
バグはプログラマーが予期しなかったトラブルのことで,
それはメーカーが設定したものではありません。

これでは抽象的すぎるので少し具体化します。


基本的にプログラマーはプレイヤーの行う操作を全て想定し,
プレイヤーがこう操作したらどうなるかをちゃんと準備しているものです。

しかしゲームが多機能化し,様々な操作が可能になった今日では,
プログラマーの想像もつかないような操作が多く存在することとなりました。

たとえば,キャラクターの進める道が二手にわかれており,
通常ならば右か左のキーを押すことによって道を選ぶところを
上(前に進む)キーを押した場合はどうなるのか?

普通ならちゃんと壁がプログラムされており,
キャラクターは壁にぶつかって前に進めない,これだけで済みますが,
仮にプログラマーがそのようなことを想定していなかったら,
キャラクターは壁にめり込み元に戻れなくなってしまったり,
もしくはフリーズしてしまったりと
さまざまな不具合が生じてしまうかもしれません。

今のはもっとも単純な例です。
これを一般化すると,

作り手にとって想定外の操作すべてにバグが生じる可能性がある

ということです。


  バグ対策の実態 


ということは
プレイヤーの操作を全て想定すれば良いのでは?
という考えにも至ることでしょうが,言うのは簡単です。
今日の複雑なゲームでは,何年かけたとしても,おそらく無理でしょう。

じゃあ,バグをそのまま野放しにしてよいのか?というと
そういうわけでもなく,できる限りはなくしたい。

というわけで,操作の中にはどうしても頭のなかでは
想定できないものもあるので,完成した後にバグを発見し,
修正することを目的としたデバッグプレイという作業を行います。

デバッグプレイとは,
実際にゲームをプレイしてバグや不具合がないかどうかを調べる,
いわば
≪テストプレイ≫です。


たとえばポケモンの場合デバッグ操作には
任天堂の人も含めて100人くらいで一気に行うとのこと。

それでも,万単位のユーザーとは発見率が比べ物にならないから,
バグ報告は絶対にあるとのことです。
なので,制作スタッフは発売後一ヶ月の間,
バグの報告が来ないか等で緊張しっぱなしだとか・・・。

プレイヤーの(不可解な)想定外の操作に,
制作者もかなり苦笑いしているようです。


  裏技と「バグ技」の違い 


「バグ技」というものは,
データを虫食いにする「虫(つまりバグ)」が
ユーザーの都合のいいようにデータを食ってくれて,
それが偶然,実用的だっただけのこと
です。

要するに「バグ技」と「裏技」は,全く異なります。
この区別ははっきりさせなくてはいけません。

バグの本質を理解しないで
むやみにバグ技をやってしまい,データを台無しにしてしまう。
これは明らかに本人の責任です。

これによってサイト側と閲覧者側との間で
トラブルが発生してしまうかもしれません。
…このようなことを避けるために,
ネット上ではバグに関しての記述が少ないのです。


しかし,私はバグもゲームの1つの要素であると思っています。
話が矛盾していると思われるかもしれませんが,
ゲームは発売されてユーザー達の手に渡った時点で
既に製作者の意図を離れ,独り歩きを始めているのです。

その製作者の意図と離れた要素,その1つがバグなのです。


バグによってヒットしたゲームもあります。
その例がナムコの『ゼビウス』で,
ナムコはゼビウスのバグをわざと修正しなかったそうです。

ポケモンのソフトの場合,バグによって受けられる恩恵が結構あります。
例えば,どうぐやポケモンを増殖したりする技などは
『赤緑』・『金銀』・『GBA版』全てのシリーズに存在します。
(※その具体的手法は上記にも書きましたが,
トラブルを避けるためここでは掲載しません)


私個人の意見なのですが,
(ポケモンの増殖はともかく)どうぐの増殖は実用的であると思います。
なので,個人の範囲・自己責任ということを了承した上で
ゲームをバグらせることは,決して悪いことだとは
言い切れないと思っています。


  「バグ」がゲームにもたらす恩恵 


先ほど言ったように,ゲームにバグはつきものです。
これは今も昔も変わりません。
しかし,バグによって一体どのようなマイナスがあるのか?

ゲームはオンラインゲームなど特殊なものを除いては
基本的に孤立しているものなので,
大体の場合その被害は個人の範囲に限られます。
たとえば「セーブデータが消えた。」などです。

バグというものは言わば製作者側のミスですから,
咎(とが)められることがほとんどです。

しかし,ユーザ同士のコミュニケーションを
確固たるものとしたのもバグなのです。



昔から,バグというのはゲームにおける話のネタだったのです。
なぜならば攻略本にバグの情報は書かれないからです。

となると,バグはネットがない時代では噂によって,
ネットがある時代では掲示板などの書き込み等で多くの人に伝えられます。
まさにここでコミュニケーションが形成されていることに注目すべきです。
こう見るとバグがいかにゲーム業界の発展に貢献してきたかがわかります。

「バグ技」同様,バグもゲームにとっては
重要な要素のひとつだと言えるではないでしょうか?


今日では近代化が進み,
多くの機械がコンピュータで制御されています。
このプログラムにミスが出たら大変です。
下手すると人の命にまで関わってきてしまうのですから。
…しかし,ゲームは違います。

我々は必ずしも,
バグが一切存在しないゲームを求めているわけではありません。

バグを真っ向から否定するのではなく,
そういう違った側面を見つめることで,
バグに対してある程度寛容になることができるのではないでしょうか。


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