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レビュー:ファミリーコンピュータ [FC]
スーパーマリオブラザーズ3 ファミコン(FC)

スーパーマリオシリーズ待望の続編が本作である。
前作の「スーパーマリオブラザーズ2」は
ディスクシステム専用だったために,極端に知名度が低かった。
なので,事情を知らない当時の私とその友人は,
「2」を飛び越えて「3」であることを常々疑問に感じていた。

このゲームは,
今後のマリオのアクションゲームを予感させるもの
であった。
ゲームシステムも「1」「2」とは異なり,大幅な進歩が見られる。
さらに,さまざまなマリオが登場する。

以下,このゲームの特徴をまとめておく。


■特徴・システムの変更点


 ≪ステージの選択方法≫

ステージが,マップ選択型となった。
かつてはワープゾーンこそあったものの,
コースの分岐等は存在しない。

このゲームでは,
マップ中にある好きなコースを選択し,
プレイすることができる。

ただし,クリアしなければ
そのコースより後に通じる道を通ることはできない。

マップでは分岐点がいくつもある。
その場合は,好きなコースを選んで選択すればよい。
必ずしも両方のコースをクリアする必要はなく,
この点はかなり自由度が高いと言えるだろう。

また,コース途中にはボーナスステージも用意されており,
そこで残機を増やすチャンスもある。

このように,ステージをマップ選択型にしたことによって,
ボーナスや,はぐれた敵,隠し面など,
多様なアイデアを盛り込むことができるようになった。

この形式は,
次作の「スーパーマリオワールド」でも踏襲されている。


 ≪アイテムストック≫

キノピオの家等でストックアイテムをもらった場合,
それをマップ画面で好きなときに使用することができる。


 ≪多彩な変身≫

かつては「スーパーマリオ」と「ファイアマリオ」しかなかった
マリオの変身形態の幅がぐっと増える。

 「しっぽマリオ」…空を飛べる
 「かえるマリオ」…水中を華麗に泳ぐ
 「たぬきマリオ」…に化ける
 「ハンマーマリオ」…ドッスンやテレサさえ倒せてしまう
 「くつマリオ」…くつクリボーから奪った靴を履き,
 ブラックパックンもへっちゃら

と,マリオシリーズでは最も数が多いのではないだろうか。


 ≪難易度≫

難易度は絶妙である。

ステージ数が増えた代わりに,
残機を増やすチャンスも多くなっており,
バランスが取れているのはさすがとしか言いようがない。

前半こそ「2」には到底及ばないものの,
後半の難易度は「2」と同等,
もしくはそれを凌駕するステージもざらにある。
だが,アイテムストックを駆使すれば
それほど難しくはないのではないだろうか。


全体的な難易度は「1」<「3」<「2」といったところ。


■総評

マリオの“これから”を予感させるゲームだけあって,
そのゲームシステムはかなり洗練されている。
ボリュームも当時のファミコンゲームの中ではトップクラスである。

だが,バックアップ機能がついていないため,
ワープゾーンに頼りっきりになってしまうという欠点がある。

当時,ロムカセットにバックアップ機能を
つけることができたかどうかはわからないが,
バックアップ機能があったほうが,
より長く,計画的に,遊べたのではないだろうか。


Nohm (2010)

■バーチャルコンソール:
〔配信開始〕2007年12月11日 500Wiiポイント
■発売日:1988年10月23日 ■メーカー:任天堂
クインティ ファミコン(FC)

後に『ポケットモンスター』という怪物ソフトを
世に送り出すことになるゲームフリークの制作した
記念すべき第一弾のソフト。

それが『クインティ』である。


ゲームの内容を書く前に,
このゲームの発売経緯について少し話しておこう。

このゲームは,完全な自主制作から始まったゲームである。
当時,ゲームフリークはまだ会社化されていなかった。

よって,制作スタッフもゲーム雑誌のライターをしていた
田尻氏をはじめとし,本職を別に持っていた。
(ただし,後に田尻氏が給料を払うといったような会社的な制作に移る)


また,ソフトを制作する時,
ゲーム会社との契約も一切していない。

つまり,完成品をナムコに持ち込む
(ボツになる可能性も当然ある)という,
現在では考えられない荒業をやってのけた。

(なお,発売が決定した後,
ナムコの指示のもと若干の手直しはされている)



田尻氏はゲームの鍵を「動詞」と考えており,
パックマンの「食べる」,
ディグダグの「掘る」などを参考にし,
「めくる」という行為に着目した。

後のゲームフリークのゲームも,
このように“キーワード”が明確なゲームが多い。


なお,さらに詳しい発売経緯や田尻氏のそのときの心境などは
「田尻智 ポケモンを創った男(大田出版,2004年)」
に書かれている。(上記文も,それを参考にして書いている。)


■ゲーム紹介

さて,では内容の方に入っていこう。
このゲームは,
一画面固定のアクションパズルゲームである。
画面内には35枚のパネルが敷き詰められており,
主人公の「カートン」は自分の向いている
前方のパネルを「めくる」ことができる。

敵が乗っているパネルをめくると,
その敵をのけぞらせることができ,
壁にぶつけると倒すことができる。
画面上の敵をすべて倒すとステージクリアとなる。
制限時間が切れると敵の速さが上昇し,プレイヤーに迫ってくる。


パネルは複数枚重ねてあり,
それらをめくることよって下のパネルを出現させることができる。
踏むことによって特殊な効果を発揮するパネルもあり,
それらがゲーム攻略の鍵を握っている。

複数のパネルが同時にめくられる効果を持つパネルを踏むと,
複数の敵をいっぺんに倒すことができる場合がある。

ただし,悠長にパネルを探していても,
時間が切れてクリアが逆に困難になってしまう。
また,パネルも良い効果のものばかりではないので,
パネルをめくることが
逆に自分の首を絞めることにつながることも少なくない。



キャラクターの操作性はよくない。
斜め移動は一切できず,動く速さもそれほど速くはない。
特に,ステージ後半は敵の移動速度のほうが速く,
プレイヤーによってはじれったく感じられたかもしれない。

しかし,これらは
ゲームの戦略性を高めるための仕様であり,
じれったいと思うよりはもっと頭を使った方がいいというものである。


ゲーム後半になってくると,かなりの戦略性が要求される。
敵の動きもかなり早く,無駄な操作は一切できなくなる。

後半の難易度は,
おそらくゲームフリークのソフトで最難関の部類に入るだろう。
特に,ラスボス「クインティ」との勝負では,運も要求される。

なおクインティはかなり手ごわいが,
それ以外のボスはあっけなく倒せる場合が少なくなかったりする…。


■総評

クインティはゲームフリークの原点と呼べる作品であるが,
内容的にもそういえると思う。

クインティの発売は1989年で,
時期的に一画面固定のアクションパズルはかなり奇抜である。

また,
難易度設定も絶妙である。
一見「難しすぎワロタw」と思わず言ってしまうステージも,
頭を使えばあっけなくクリアできてしまう。
このあたりはかなり入念な検討作業をしているものと伺える。


ちなみに,ゲームフリークは自身の制作するゲームで
クインティを元ネタにすることが多々ある。
私が発見したものを以下に挙げておこう。


・マリオとワリオ
ステージ1は固定一画面。おそらくクインティを意識したもの。

・ポケットモンスターシリーズ
「ユニオンルーム」で,自分以外のプレイヤーが
上から降ってくるような形で登場するが,
これもクインティで「エネミーパネル」を出現させたときに
敵が上から降ってくるのを意識したものだと思われる。

かいパンやろう…どう見てもスイマーw


なお,クインティは「ゲームセンターCX」で有野課長が挑戦した。
その回をご覧いただけると,このゲームがどのようなものなのかを
より詳しくお分かりいただけると思う。


Nohm (2008)

■発売日:1989年6月27日 ■メーカー:任天堂
ファミコン探偵倶楽部 partII
うしろに立つ少女(前編・後編)
 ファミコン(FC)

『ファミコン探偵倶楽部』シリーズの待望の続編である。
しかし、物語の時系列は前作より前である。
すなわち本作の物語の後、前作の『消えた後継者』へ話が繋がる。
主人公とヒロイン橘あゆみが出会った事件の物語である。

前作のレビューと同様の理由で、
ここではストーリーについて詳しく触れるようなことは極力避け、
前作とのシステム上の変更点を中心に書きたいと思う。


■ゲーム紹介

まず、当然のことながら遊びやすくなっている。
具体的には、無意味なセリフの繰り返しはかなり少なくなり、
同じ選択肢を間違えて選んでも時間をとられることは
ほとんどなくなった。

もうひとつ、前作の特徴的な選択肢「おもいだす」が
「かんがえる」に変更された。
本作では主人公は記憶喪失になっていないので当然であろう。
本質的には変わっていない。

それ以外の大きな変更点は見当たらない。

相変わらずフラグ立てには骨を折らされた。

しかし、うんざりするようなフラグ立てはなくなっている。


物語やサウンドについても良好。
ゲームオーバーのないこのゲームは
フラグ立てが停滞すると退屈しがちであるが、
時にプレイヤーの肩の力を抜くような絶妙なタイミングで
ギャグの入っている良質なストーリーや場の状況にマッチした
サウンドゆえ退屈することはない。前作同様、傑作と言えよう。


■追加知識(リメイクなど)


このゲームも、
シリーズ第一弾の『消えた後継者』同様に
「ファミコンミニ ディスクシステムセレクション」で
GBAに移植されている。
ただし画面がGBAにあわせてあるので、
キャラクターが少し太って見えてしまう。

また難易度調整のためか、
任天堂のファミコンミニの紹介ページに
攻略のヒントが少し掲載されている。


なお、本作はSFCのニンテンドウパワーでリメイクされている。
(PartI はリメイクされていない)

リメイク版は
サウンド・グラフィック面において大幅な進歩をしており、
キャラクターの微妙な表情の変化なども見事に表現されている。

重要な手がかりなどは、
ポーズ画面でいつでも見ることが可能になった。
そして面倒なフラグ立てが削除され、
いっそう物語がスムーズに進むようになっている。

さらには、当時のアドベンチャーゲームの傾向に合わせてか
キャラクターの言動に対する対応を選択肢で選ぶシステムが
新たに導入されている。ただし、これによって
ストーリーが分岐するようなことはない。


また、ゲームクリア後のオマケとして、
「プレイヤーの性格診断」がある。
これは選択肢の選び方によって、
プレイヤーの性格や橘あゆみとの相性が診断される。
診断結果は選択肢の選び方によって異なるため、
再び遊びたくなるようになっている。



このようにみてみると、
オリジナルは「ファミコンディスクシステム」、
移植は「ファミコンミニ」、
リメイク版は「ニンテンドウパワー」と
いずれも現在は入手困難なものばかりで、
多くのプレイヤーの目に触れることがないのがいささか残念である。

追記:
2009年12月22日〜
Wii「バーチャルコンソール」で
オリジナル版(FC)が配信
されています。(500ポイント)


ところで、ヒロイン「橘あゆみ」という名前は
読者もどこかで聞いたことがあるような気がしないだろうか?

実はこのキャラクターは
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』において
3D化され、フィギュアとなっている。

「そういえば、知らない女子高生のフィギュアがあったな」
と思い出した人はスマブラDXのフィギュアを参照されたい。


なお、「ファミコンミニ」に移植する際に、
このゲームはCERO
「15歳以上(今で言う「C」)」に指定された。
任天堂のソフトで「全年齢対象」でない初のゲームとなり、
少し話題となった。

これは、ゲーム中に登場するツッパリキャラ
「河合ひとみ(男)」による未成年喫煙や
殺害シーン(シルエットのみ)が原因であるが、
その場面そのものは非常に短く、かつ全く印象的なものでもない。
CEROの審査が無駄に厳しいような気もするが…。


Nohm (2007)



関連ページ:

≪公式≫ ファミコン探偵倶楽部の歴史 (任天堂公式サイト)
≪前作≫ ゲーム批評 [FC] ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者

■バーチャルコンソール:
〔配信開始〕 2009年12月22日 500Wiiポイント
■発売日:1988年4月27日/6月14日 ■メーカー:任天堂
ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 (前編・後編) ファミコン(FC)

『ふぁみこんむかしばなし』シリーズに続く
任天堂発のアドベンチャーゲームである。
『ふぁみこんむかしばなし』シリーズ同様、
前編・後編に分かれて発売された。

絵本風な描写から一転し、本格的な推理サスペンスである。
制作は、あの故横井軍平氏。推理モノにありがちな、
富豪一家に起こる連続殺人事件を読み解くものである。

なお、アドベンチャーゲームは
話の筋書きそのものの価値比重が大きいので
ストーリーにはなるべく触れずに、
ここではゲームシステムを中心に見ていきたいと思う。


■ゲーム紹介

『ふぁみこんむかしばなし』シリーズとは違い、
このゲームには
ゲームオーバーが存在しないのが特徴的である。
すなわち選択肢を片っ端から当たっていけば
誰でも解けるようになっている。

よって、このゲームにおける主要な操作は
先に進むためのフラグ立てである。

…しかし『ふぁみこんむかしばなし』同様、
フラグ立てには骨を折らされた。
操作のなかには同じ選択肢を複数回選んだり、
特定の場所の往復を繰り返したり、
かなり骨のおれる操作が必要になる場面もある。
しかし、ゲームオーバーがない上に
いつでもセーブできるため、遊びやすくはなっている。

ただし、場面の移り変わりによってはディスクの面を
いちいち変えなければならないのは、かなり煩わしい。
(後に出る移植版では改善されている)


設定上、主人公の探偵は記憶喪失になっており、
ときどき重要な情報をおもい出すことができる。
これは、このゲーム特有の
「おもいだす」というコマンドを
選択することによって可能である。

私は手詰まりになったらいつもこのコマンドを当たっていた。
(おそらく他のプレイヤーも同じだったはずである)


ストーリーはなかなか面白かったが、
小説にしたらつまらなくなるかもしれない。
ゲームであったから面白いということをことわっておく。
(その理由はコラムに別記する予定)


ところで、アドベンチャーゲームとはいえ、
このシリーズや『ふぁみこんむかしばなし』シリーズは
シナリオ分岐が存在しないため、
1度目のプレイが楽しみの九割以上を占めている。
繰り返して遊ぶにはあまり向かない。

なお、これら2つシリーズのゲーム性は
なかなか興味深いものがあるので、コラムに別記する予定である。


Nohm (2007)

■バーチャルコンソール:
〔配信開始〕 2007年10月16日 600Wiiポイント
■発売日:1988年4月27日/6月14日 ■メーカー:任天堂
ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島(前編・後編) ファミコン(FC)

ファミコンディスクシステム史上初となった
2枚で構成されたソフトである(ただし販売はバラバラ)。
また、任天堂初のテキストアドベンチャーゲームでもある。


■ゲーム紹介

形式は、選択式のアドベンチャーゲーム。
他のアドベンチャーゲームにはないコマンド
「ひとかえる」がこのシリーズの特徴。

このゲームには「とんべ」と「ひかり」の男女2人の主人公がいて、
それぞれの視点でゲームを進めることができる。
「ひとかえる」はその視点を変えるコマンドで、
話す主人公によって相手の対応が変わったり、
どちらか一方でないと先に進めない場合もある。

ストーリーは桃太郎、金太郎、おむすびころりん、カチカチ山など、
誰もが知っている日本の昔話を融合した、
全く新しい予測不可能な昔話
である。

元ネタを知っていればスムーズに進むこともできるが、
逆にそれが裏目に出る場合もある。
ほのぼのとしたコミカルなタッチが当時、高い評価を得ていたようだ。


なお、そのようなほのぼのとした雰囲気とは裏腹に
このゲームは先に進むフラグを立てるのに
かなり複雑な手順を要する場合もあり、
しかもゲームオーバーになるパターンも多く、

難易度はかなり高い。


セーブも章ごとにしかできず、
ゲームオーバーになるとまた章の最初からとなるため、
あまり軽率な選択はできない。

これに関しては難易度調整として、セーブポイントを増やしたり、
コンティニュー制を導入したりすべきであったと思う。

さらに、後編では攻略チャートなしでは
莫大な時間がかかると思われるほど、
手順が複雑かつ脈絡をつかみにくく、かなり難しい。

また、全体を通して
先に進めない方角も「いどう」の選択肢に入っているため、
(方角を選択しても「どうやらそちらにはいけないようです」
というメッセージが出るだけ)
無駄な選択をしがちで、
余計に時間がかかるのも少々考えものである。


しかしながら音楽がマリオの近藤浩治、
監修が宮本茂などと豪華な顔ぶれがその名を連ねており、
また
ストーリー自体はかなり面白い。

システム面で改善すべき点はいくつかあったものの、
ディスクシステムの傑作であると言えよう。


Nohm (2007)

■バーチャルコンソール:
〔配信開始〕 2007年6月19日 600Wiiポイント
■発売日:1987年9月4日/9月30日 ■メーカー:任天堂
ゼビウス ファミコン(FC)

正直に言って、
このゲームの批評を書くのはお呼びではないと思う。
なぜならば、さまざまな本やサイトで
このゲームのレビューが書かれているからだ。

なのに、なぜ私がこのゲームのレビューをここで書こうとしたのか?
それは
私が典型的なスーファミ世代のプレイヤーであるからだ。

ゼビウスの批評は、
ほとんどがファミコン世代によって書かれている。
しかし、それをファミコンに関しては無知識な私が書くとどうなるのか?
というのを実践してみたかったのである。


まず、私のゼビウスに関するプロフィールを紹介する。
今頃になってゼビウスに魂を燃やす私は、
ゼビウスの存在をポケモンに関連して知った。

何を隠そう、
ポケモンの生み親はゼビウスの熱狂的なプレイヤーであったからだ。
ポケモンを深く知るためのヒントはゼビウスに隠されていると思い、
私はファミコンミニのゼビウスに熱中した。


しかしここで断っておくが、
ゼビウスのファミコン版はオリジナルではない。

ゼビウスのオリジナルはアーケードであり、
ファミコン版は仕様がそれとは遠くかけ離れている。
特に、ゼビウスの象徴の1つであった
ナスカの地上絵がなくなっているのは致命的である。

そして、私はシューティングの名人でもなければ、
アーケードゲームの名人でもない。
すなわち、ゼビウスに関しては完全な初心者ということになる。


■ゲーム紹介

ゼビウスのゲームジャンルは
「縦スクロールのシューティング」である。
このゲームで奥深さを与えているのはなんと言っても、
自機ソルバルウの攻撃が空中弾である「ザッパー」と
地上弾である「ブラスター」の2通りに分かれているところにある。

敵も「空中の敵」と「地上の敵」に分かれており、
対応した攻撃でないと倒すことができない。
地上物ばかりに気をとられていると、
空中からの攻撃にやられてしまう。


そして、地上には様々な隠し要素がある。
何も無いのにブラスターの照準が反応したならば、
そこには「ソル」と呼ばれる秘密基地が存在し、
ブラスターで打ってみると姿を現して2000点。
さらに、破壊すると2000点で計40000点。

特定のエリアに存在する「スペシャルフラッグ」ゾーンの
特定の位置にブラスターを落とすと「スペシャルフラッグ」が現れ、
それをとると1UP。

どちらも高得点をマークするのには欠かせない要素である。
この隠し要素はプレイヤーが何百枚もの100円玉を費やし、
血まなこになって探したという。


さらに、スコアをパンクさせたものも現れた。
9999990点を叩き出したものが次々と現れたのである。
次々と現れるということは特別難しいわけではない、
と思うかもしれないが、
そんなことはない。

少し前にシューティングを専門とするゲーマーと知り合ったのだが、
彼はゲームセンターの最近のシューティングゲームのハイスコアを
軽々と叩き出すだけの実力を持っている上、
自機の操作もかなり慣れているのであるが
その彼でさえ9999990点は無理だといっている。
実際に、この得点を取るのにかかる時間はフツーにやっても6時間。
並みの集中力では成せないであろう。


現代のプレイヤーは、
ゲームがアーケード中心から据え置き・携帯型が中心と移り
1プレイの重みもあまりなくなったため、
腕が落ちているものと思われる。


■総評

様々な背景話をしてきたが、
ゲームの内容について気がついたことをもう1つ述べようと思う。

このゲームの特徴は
敵機の動きに生命的なものが見られることである。
自機の攻撃や動きに反応して、敵機は生きているかのように逃げたり、
スパリオ(弾)を端って横にそれたりする。

ファミコンのゲームでこのようなことは
ありそうで、実はほとんどない。
例えば、マリオの敵はスーパーファミコンになっても
自分の動きをマリオにあわせて変えることをしない。

とにかく、ゼビウスはかなり計算されて作られ、
プレイするほど謎が深まるゲームでありやりこみ度も高く、
現代のゲーマーには少々近づきづらい部分があるかもしれない。

しかし、これだけは明言しておく。
『ファミコンミニ』のゼビウスは
2000円以上のやりこむ価値がある
ということを。
アーケード時代のゲーマーがいくら使ってこのゲームに
打ち込んできたのかは計り知れないのだから…。


Nohm (2006)

■バーチャルコンソール:(FC版)
〔配信開始〕 2006年12月2日 500Wiiポイント


■バーチャルコンソール:(アーケード版)
〔配信開始〕 2009年9月1日 800Wiiポイント

■発売日:1984年11月2日 ■メーカー:ナムコ
アイスクライマー ファミコン(FC)

スーファミ世代以降にはまったくなじみのなかったゲームであるが、
ファミコン世代には、かなりの支持を集めていたソフトである。
そのゲーム性が人気となり、現在でも広く支持されている。

それを後押しするかのように
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に登場。
このゲームによって支持層はファミコン世代にとどまらなくなった。

そして極めつけは「ファミコンミニ」シリーズへの移植。
もし『スマブラDX』に登場していなかったら…
このソフトの売り上げは違ったものとなっていただろう。

スーファミ世代である私も
『スマブラDX』でアイスクライマーを知った。
そして任天堂の思惑通りファミコンミニを購入したのだが、
実際にプレイしてみると、
かなりの難易度に驚かされた。


■ゲーム紹介

ステージ構成としては、8段ある雪山を登ればよいだけ。
しかしステージが進むごとにブロックの数は減少していき、
しまいには動く雲をつたっていかなければならなくなってくる。

しかも敵は倒しても無限に復活し、上からはつららが降ってくる。
上のブロックを壊しても敵キャラが復元してくるし、
動く雲に乗るタイミングが悪いと、
いつまでたっても上にのぼることは出来ない。

かと言って、
いつまでも登らなくていいというわけでもない。
長時間スクロールがないと「ホワイトベア」が現れ、
画面が勝手にスクロールされる。
かなりシビアで容赦ない。


1人モードはまだマシである。
2人モードとなると、スクロールは早いプレイヤーに合わされ、
遅れると勝手にスクロールされ、ミスとなる。
2人そろってゴールすることは、かなり困難である。

ボーナスステージには野菜が落ちており、
ナス、ニンジン、キャベツ、キュウリ、トウモロコシ、
カブ、カボチャ、ハクサイ、ジャガイモ、キノコの10種類。
パックマンに似た要素でもある。

『スマブラDX』のアイスクライマーのボーナスステージが、
当時のゲームのステージ構成を忠実に再現している。


■総評

何度も言ってはいるが、
このゲームはかなり難しい。
だが当時のファミコン世代にとっては、
普通の難易度であったのだろうか…?


Nohm (2006)

■バーチャルコンソール:
〔配信開始〕 2007年1月16日 500Wiiポイント
■発売日:1985年1月30日 ■メーカー:任天堂
スーパーマリオブラザーズ2 ファミコン(FC)

誰もが知っているであろうファミコンの
サクセスストーリーの序章を飾るべき作品である
『スーパーマリオブラザーズ』の続編。

とはいっても、
新しいシステムはほとんど追加されることなく
ゲームそのものを見ても、違いにはなかなか気付かない。
相当やりこんだ人でも、1画面を見せられて
『1』と『2』を判別することは難しいであろう。

…ただし、
難易度は比べ物にならないほど高くなっている。


■ゲーム紹介


『スーパーマリオブラザーズ2』(以下、マリオ2)は
前作と比べると少々クセのあるゲームなのである。

まず最初に挙げるべき違いは
「*無限増殖」の存在。
今作ではなんと1-1ステージからいきなり無限増殖が可能である。
(*ノコノコを踏む動作が無限に続き、
限りなくストックが増えていくわざ)


もちろん、これは任天堂側が
意図的に作ったもので、
まさにこれからの道が険しいということを暗示している。
この無限増殖を行っておかないと、
完全クリアは至難の業であると思われる。

しかし、無限増殖には落とし穴がある。
なんと、127人以上の増殖を行うと、
カウンターがハングして0人に戻ってしまう
のである。
よって無限増殖の時点でも気を抜くことができないのである。
(プレイヤーは127人ちょうどの増殖を行わないといけないから)


次にあげる違いは「パラレルワールド」の存在。

当時のプレイヤーは、今
作の8−4のクッパを倒して浮かれていたところで、
きっと落胆したことだろう。

今作では8−4をクリアするとパラレルワールドと呼ばれる、
いわば極めし者のための用意されたスペシャルステージに突入するのである。

全く新しいステージや
これまでのステージにひねりを加えたステージとなっているのだが、
A−1からD−4まで合計12ステージある。

これらを制覇するには、少なくとも1ヶ月ほどの修行が必要となる。
ワープゾーンを駆使し、
無限増殖によって増やしたストックでしのぎを削りながら
何とか8−4までクリアした者では絶対にクリアできない。

その先に進むには、それ以上の「何か」が必要となる。
その「何か」とは、ぶっ通しでなくてもよいので、
一度全てのパターンのステージをプレイすること。
適応力がつけば、パラレルワールドは
今までのステージの発展形なので、十分に対応できるのである。


さて、違いはこんなところだろうか?
…いや、もう1つある。


<ネタバレが嫌な人は飛ばしてください>

 ≫ 続きを読む

このゲームを『スーパーマリオコレクション』で
プレイした人も多いと思うが、それは甘い!
そのゲームには「バックアップ機能*」が搭載されている。
(*ゲームの途中経過などを記録する機能)

もちろん、当時のファミコンにはそのようなものはない。
物理的な時間もかかるため、さらに難しいのである。

バックアップ機能のない当時のマリオ2は、
ステージ数の多さや難易度から見て、クリア不可能とも言われていた。

まず間違いなく
マリオシリーズ最難関といえると思う。
単純なゲームほど、実は難しいものなのである。


Nohm (2006)



備考:

ファミコンミニ第2弾として発売された移植版は
ワイヤレスアダプタに対応しています。

関連ページ:
アメリカ旅行記2004 1日目 (コラム)


■バーチャルコンソール:
〔配信開始〕 2007年5月1日 500Wiiポイント
■発売日:1985年1月30日 ■メーカー:任天堂


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