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レビュー:ゲームボーイアドバンス [GBA]
スクリューブレイカー 轟振どりるれろ ゲームボーイアドバンス(GBA)
公式サイト※音量注意!

メーカー ... 任天堂
発売日 ... 2005年9月22日
販売価格 ... 3800円(税込)

『ポケットモンスター』シリーズでおなじみのゲームフリークが,
久々に新作アクションゲームを世に送り出した。
それが本作『スクリューブレイカー』である。

プロペラ付きのドリルで空を飛ぶCMが当時は印象的であった。


■ゲーム紹介

このゲームはとにかく
ドリル感がとことん追及されている。
「ドリルは男のロマンである」とどこそこで言われるほど,
SFやマンガの世界では戦車やロボットには
ドリルがお約束のように装備されている。

このゲームでは「武器としてのドリル」というよりも,
「道具としてのドリル」の側面が特に強調されている。

それは,以下に書く多彩なドリルアクションからも容易に読み取れる。


・回転
 当然のドリルアクション。
 ただし,回転には右回転と左回転の二種類がある(これ重要)。

・ドリアップ
 ギアをとることでドリルの回転速度や
 回転時間を上げることができるようになる。
 最大で三段階のシフトチェンジが可能。

・突き抜け
 ブロックなどを削っているとき,
 ドリルの進行方向の十字キーを押しっぱなしにすると,
 ドリルがつきぬけ,その勢いで前に進むことができる。

・引き抜き
 ブロックなどを削っているとき,ドリルを逆に回転させると,
 反動で逆方向に跳ぶことができる。
 跳ぶ距離はドリルの回転速度利より異なる。


その他,ドリルにスクリューをつけて水中を進んだり,
ドリルにプロペラをつけて空を飛んだりと,
まさにドリル万能説を唱えるかのごとく
ドリルに依存したアクションを徹底している。

その一方で,
ドリルを使わない基本アクションは
歩き・ジャンプ・ダッシュしかない。

敵を倒すのもドリルであるし,
移動手段でさえもドリルなのである。

ドリルを中心としたアクションゲームであるため,
やはり通常のアクションゲームとは一線を画するところがあるだろう。
LRボタンも酷使するため
操作に慣れるまでは時間がかかる。


ゲームの設定が相当に考え抜かれているのは
ゲームフリークらしいといえる。

難易度設定や敵キャラの配置,
そして中ボスやボスキャラの弱点
(攻撃すればダメージを与えられる部分)
の見せ方が絶妙であった。

敵キャラの配置については,
HARDモード(ライフ1かつ回復なしで
プレイし続けなければならない隠しモード)をプレイすれば
その絶妙さがよくわかる。

なんと,
いかなる複雑な場所でも確実にノーダメージで
切り抜けられるようにできている
のである。

もしかすると,HARDモードをつけた本当の理由は
ただゲームを難しくしてやりこめるようにするのではなく,
そのような絶妙な敵キャラ配置をしたということを
知ってもらうためのものだったのかもしれない。

サウンドに関しても,
ポケモンを手がけている一之瀬氏が担当しており,評価も高い。
特にドリルのレベルが3に上がったときのBGMは
爽快感そのものを表している。


■総評

以上の点を見ると,
それなりにゲームの素養がある人には
非常に感動できる要素が盛り込まれており,
どちらかというと
コアユーザー向けであるような気がする。

しかし,その観点で見ると
やはりステージ数の少なさが目立ってしまう。
確かにステージひとつひとつが長くなって入るのだが,
ボリューム不足は否めないだろう。


結局のところ,
このゲームは目立った旋風を巻き起こすことはなかったが,
ゲームファンからの評価はかなり高く
「隠れた名作」と呼ばれている。

実際,独自性や中毒性,
そしてゲーム中の爽快感などは眼を見張るものがある。


しかし,皮肉なことに
ライトユーザーは「見たことのないゲーム」には
なかなか手を出さない。

高すぎる独自性により,
このゲームが多くのユーザーの目に触れなかったことは,
なんとも残念である。


Nohm (2007)

ファイナルファンタジーI・II アドバンス ゲームボーイアドバンス(GBA)
公式サイト 〕 ※音量注意!

今なお続く大人気RPG
『ファイナルファンタジー』シリーズの
原点となる2作
をリメイク移植したものが本作。

2000年に1作目が、
2001年には2作目が
ワンダースワン(WS)で初めてリメイクされ、
2002年にはほぼ同内容のものが
プレイステーション(PS)に移植されている。

それらをベースにGBAへプラットフォームを移して
新要素の追加、さらなる遊びやすさを追求した移植の移植であるが、
それだけに内容も
「完全版」と呼ぶにふさわしいデキに仕上がっている。


■ゲーム紹介

WS版やPS版からさらにアレンジされたサウンドは
ゲームボーイアドバンスとは思えない音質の高さに加えて、
原曲の雰囲気を壊さない作りになっている。


システム面に着目してみても、
『FF1』にはおいて使用回数制であった魔法を
シリーズおなじみの「MP」制に変更、
Bボタンダッシュ機能搭載、文章メッセージを随所変更、
ひらがな・漢字の選択可能、アイテムの増加、どこでもセーブが可能
…など、まさに至れり尽くせり。


戦闘バランスも調整されているが、
その結果、
難易度は急激に低下している。

その難易度低下より気になったのが、
モンスターとのエンカウント率の高さ。
場合によっては2・3歩で出現する事もあり、
明らかにゲームテンポを崩している。

お金も非常に貯まりやすくなっているのも賛否両論ありそうだが、
ゲーム初心者にとっては好都合であり、
装備を整えて回復アイテムを買い込めば、
ゲーム進行に詰まる事は考えにくい。

そういった制作者側の配慮あるいは意図があるのかもしれない。


『FF1』はゲーム開始時に
6種類のジョブから自由に選択することができる。
若干の調整はされているものの、
ジョブの強さにはまだ差がある

他には、使用すると強力な魔法を発動するアイテム
(しかも使用無制限・MP消費もなし)が新たに多数追加されているため
ゲーム終盤や追加ダンジョンでは黒魔導士の特徴が生かされなかった。

『FF2』にはあまり使用頻度の高くない魔法が多く、
少し魔法の種類を整理しても良かったのではないかと思う。
戦闘のバランスはだいぶ調整されている印象。


『FF1』の新要素は「ソウルオブカオス」
4つの新たなダンジョンが追加された。

ダンジョン構造は入るたびにランダムに変化し
(厳密に言えば構造自体は変わっていない)
モンスターもすべて一新、
ボスモンスターも歴代のシリーズから参戦しているなど
ボリューム、満足度ともに十分。

ただ、ダンジョンによっては
階層が結構な数用意されているため、
先述したエンカウント率の高さがなおさら気になった。


一方、『FF2』には「ソウルオブリバース」というモードが
新たに追加されている。

詳しくはここでは書けないが、
ゲームクリア後に本編に登場したサブキャラクターたちを操作して
裏ダンジョンに挑む事が出来る。

追加要素があることはユーザーにとって喜ばしい事に変わりないが、
ダンジョン構造や作りが全体的に粗く、
もう少し作り込んで欲しかったというのが本音だ。


■総評

『FF1』は王道的なストーリーでありながら
映画的な手法を取り入れたりと
当時の他ゲームの追随を許さない完成度を誇っていた。

『FF2』はさらにドラマチックなシナリオに加えて、
「サガ」シリーズを彷彿とさせる独自のシステムは今なお斬新に映る。

FFシリーズが現代にも絶大な支持が得られているそのヒントは
きっと「原点」に隠されているのだろう。
この機会にぜひ、触れてみてほしい。


Suifu (2006)



関連ページ:

≪PSP版≫
(音量注意!)
ファイナルファンタジー / ファイナルファンタジーII

■発売日:2004年7月28日 ■メーカー:スクウェア・エニックス
牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち ゲームボーイアドバンス(GBA)
公式サイト

メーカー ... マーベラス
発売日 ... 2003年4月28日
販売価格 ... 5040円(税込)

ミネラルタウンという町を舞台に人々と交流を深めて,
ほのぼのとした生活を送る。

コンセプトとしては
任天堂の『どうぶつの森』を連想するかもしれないが,
似てて非なるものといえるだろう。


■ゲーム紹介

ほのぼのとした生活を…とは言うものの,
なかなかそういうわけにはいかない。

なぜなら主人公には牧場経営という「仕事」があるからだ。
具体的には作物を育てて収穫したり,
動物を飼育してそのタマゴやミルクを収穫する。
それを出荷することで生計を立てる。

ただ,生計を立てるとは言っても,
別に食事を取らないと倒れてしまうというわけでなく
(過労では倒れるが),
資金は家畜に与える餌や牧場の施設費などにあてることになる。

他にも,町の人との交流を深める数々のイベントやミニゲーム,
季節ごとに行われる行事,そして結婚といった要素までもあり,
プレイヤーを飽きさせない充実したつくりになっている。


ゲームの基本は
自分の牧場とミネラルタウンを行き来することになるが,
これがどちらもなかなかの広さである。
町を歩き回っているだけで,
あっという間に日が暮れてしまうこともしばしばある。

ミネラルタウンはともかく,
牧場はもう少しコンパクトでも良かったのではないだろうか。

時間の経つ速度もやや早いように感じるため,
最初は戸惑うことだろう。


操作性に関して言えば,
ハードの制約がある中,少ないボタンの組み合わせで
多種多様なアクションができるように工夫されているのは良い。

そのぶん複雑な操作が要求され,
やや煩雑な印象を受けたが致し方あるまい。
グラフィックやサウンドは
ハードの枠を超えた出来栄えであり,お見事。


ゲームの流れとしては
完全に
『単純作業』といえるだろう。
そのひとつひとつの作業を面白いと思えるかどうかが,
ユーザーの印象を左右する最大の鍵となるのは間違いない。

特に序盤は資金不足がなかなか解消されず
思ったようにゲームが進まないため,
慣れてくる前に挫折してしまう可能性は高い。

そのため,ある程度の作業を任せることができる
コロボックルの存在は大きい。


細かい部分では,

『チュートリアルがやや不親切』
『栽培時に水を撒いた土とそうでない土の見分けがわかりにくい』
『料理システムの用途があまりない』
『貴重なアイテムの多い「鉱山」がどの作業にも増して単純作業である』

というような不満点が挙げられるものの,
慣れてくるうちに気にならなくなってくる。


なお,本作はPS用ソフト『牧場物語 ハーベストムーン』の
続編という位置づけになっており,追加要素はあるものの
ベース的にはかなり近いようなので,
経験者はすんなりとプレイできるだろう。


Suifu (2006)

ファイナルファンタジータクティクス アドバンス ゲームボーイアドバンス(GBA)
公式サイト

PSで発売された
『ファイナルファンタジータクティクス』の続編…ではあるが、
本作は低年齢層にも受け入れられそうな世界観になっている。

肝心のシミュレーション部分も
『タクティクスオウガ』シリーズのシステムに、
本作独自の『ロウ』システムやFFでおなじみの
「ジョブシステム」等を追加した感じだ。


『タクティクスオウガ』のシステムはすでに完成されているため、
操作性に関しては文句のつけようがない!

…と言いたいところであったが、

敵(相手)側の攻撃も一斉ではなく一人一人が順番に移動するので、
バトルのテンポがあまりよくないのは気になった。


■ゲーム紹介

さて、今作の新要素として
『ロウ』
(法律)システムが導入されている。

これはすなわちバトル内での「制約」を意味している。
破ると、それなりの対処(処罰)がなされるということである。


ロウシステムに関しては賛否両論あるが、
他のゲームには見られない独自性があり、
とりわけシステムに破綻や不条理がみられるわけではないため、
個人的には“アリ”だと感じた。

ただし、ストーリーが進むとロウの数が増えてくるので、
試合中、常にロウが確認できればさらによかった。

また、ロウを打ち消してしまう『アンチロウ』は、
良くも悪くもロウシステムありきの本作において、
矛盾した存在のような気がした。

(ロウシステムが機能しなくなることで、
平凡なシミュレーションRPGをプレイしているような
感覚に陥ってしまうため)



ストーリー進行は、主に酒場で依頼を受け、
メインイベントを選択していくことで進んでいく。
携帯機と言うことも考えての発想かも知れないが、
単純な作業になりがちなのは否めない。
バトルクリア条件も、もう少しいろんな種類があればよかった。

ステージ数は十分だと感じたが、
ステージごとにあまり違いが見られなかったのは残念。
また、アイテムショップ等で装備品を買うときに不便さが感じられた。

音楽に関しては、ゲームの雰囲気を壊していないので良かった。
戦闘難易度に関しては少し低め?であり、
システム的にも(ロウシステムさえ理解できれば)
すんなりプレイできるというのも、
携帯ゲームならではのお手軽さを実現させている。


ただし、PS版(
関連ページ参照)とは
根本的にシナリオ・世界観を含めて
ゲームの方向性が違うので注意が必要。


Suifu (2005)



関連ページ:

≪PS版≫ ファイナルファンタジータクティクス(ゲームアーカイブス)

■発売日:2003年2月14日 ■メーカー:スクウェア・エニックス
メイドインワリオ ゲームボーイアドバンス(GBA)
公式サイト

≪ワリオらしい型破りな作品≫

ゲームボーイアドバンスにヘンな?旋風をもたらしたのが
ほかならぬこのゲーム『メイドインワリオ』である。

メイドインワリオのジャンルは「瞬間アクション」。
任天堂の得意な
”新ジャンル開拓”である。

ワリオ関連のソフトは、何かと型破り的な部分があるように思える。
例えば、携帯ゲーム界に革命を起こした
「ゲームボーイカラー」の同時発売タイトルであった
『ワリオランド2』はワリオが不死身であり、
さらにゴールの仕方の違いによるストーリー分岐、
その分岐による複数のエンディングが存在した。

また、『マリオとワリオ』についても
同様に型破り的な要素が多くみられた。


≪「瞬間アクション」とは何か?≫

読んで字のごとく、瞬間的なアクションゲームのことである。

200種類以上のプチゲームが
ジャンルごとに分かれてステージを構築しており、
そのステージにおけるプチゲームを
ボーダーラインの回数以上達成するとステージクリアとなって、
次のジャンルに進めるという仕様。

プチゲームとはそのすべてが5秒以内で決着がつくという
非常に簡単なゲームであって、ゲームをやったことがない人でも
気軽に楽しむことができる…という部分もあるのは確かだが、
どのプチゲームにも具体的な操作説明がない。
目的だけが指示され、後は自分で考えるしかない。

たとえば「ジャンプはAボタン」で
「決定はAボタン、B ボタンがキャンセル」
(もちろんゲームによって例外はあるが…)ということは、
アクションゲームに慣れている人にとっては自明のことであっても、
ゲームをやっていない人にはわからないかもしれない。

要するに
「(アクション)ゲームがどのようなものであるか?」
ということが最低限わかっていないと、
これらのプチゲームをクリアすることはなかなか困難である。


目的の指示はわかったとしても、
具体的にどのような操作をすればいいのかわからない場合も多々あり、
失敗を繰り返すことによってクリアの糸口を探るしかない。

また、制限時間が短いため、
指示を読んだ瞬間に具体的な操作が
パッと頭に浮かんでこなければならないという、
脳の回転の早さも要求される。


プチゲームは
クリアすればするほど難易度が上がっていく。
全てのプチゲームにはレベルが3段階用意されていて、
しかもクリアするごとにゲームのスピードも上昇する。
(それに伴い制限時間の短くなる)

プチゲーム一つ一つはそれほどのものではないが、
考えられた仕様、絶妙な難易度設定といった組み合わせによって、
本作のような高い中毒性をもった、
斬新なゲームが生み出されたのである。


≪プチゲームの多様性≫

先にも述べたが、
本作には200種類ものプチゲームが用意されている。
このプチゲームの内容はというと、まさに多種多様。
中にはゲームの外見や指示が全く違うものであっても、
本質は全く同等のものもある。

プチゲームの中にはレトロゲームの一時的移植があり、
具体的にいえば、レトロゲームにおける基本的操作を
プチゲームにしてしまうというアイデアである。

それらのレトロゲームは
「ファミコンロボ」「バーチャルボーイ」
「スーパースコープ」などのレア物や「ウルトラマシン」「光線銃」
故横井軍平氏が作った「マジックハンド」などの任天堂の代表的な玩具、
『マリオブラザーズ』『リンクの冒険』といったファミコンソフトなど
任天堂ゲーマーの私としては涙モノである。

ほかにも、鼻の穴に指を入れるなどかなりくだらないけれど、
つい笑ってしまうようなものも。
(私など30分間笑い転げたことがあった)


なお、プチゲームは何の前ぶりもなく新しいものが登場するので、
プチゲームをクリアするごとにわくわくさせられる。
1度遊んだプチゲームは図鑑に記録され、いつでも遊ぶことが可能。


≪ボスゲームと対戦ゲーム≫

プチゲームのほかに、ボスゲームがある。
ゲームをクリアすることによってその敵キャラを倒す。

プチゲームは先ほども言ったが、
瞬間ゲームなので5秒以内には終わる。
他方、ボスゲームは基本的に時間制限がない、
言うなれば普通のミニゲーム。

しかしながら、
プチゲームをやりなれている状態では
何か特別な感覚をプレイヤーに与える。


さらに、なんと対戦ゲームまである。
しかも!通信ケーブルなどの周辺機器も一切使わない!
その内容とは?というと、LRボタンしか使わないという
超シンプルな、GB史上初?の
1ハード対戦!


…って、おい!これはシンプルすぎるだろ!
と思わずつっこみを入れたくなってしまう。

そういうわけで対戦ゲームはないも同然かと。
『メイドインワリオ』における対戦ゲームは、
GCの『あつまれ!メイドインワリオ』でプレイすることをお勧めする。


≪隠し要素について≫

任天堂のゲームで欠かせないのが「隠し要素」。
(出現条件はひそかにゲーム中で見ることが出来るため
隠し要素というまでもないようなものだが)
いちおう隠し要素とよべるものがある。

隠し要素の中心としてはサブゲーム。
各ステージをある決められた得点以上のスコアでクリアすると出現する。


これは『Pyoro』『なわとびフォーエバー』などの
今まで任天堂が作り損ねた?ような全く新しい操作感覚のミニゲームや
『ワリオ版シェリフ』『Dr.WARIO』などの
今までのゲームをワリオ版にリメイクしたものなど、
複数のゲームがこのソフト一本で遊べてしまうというオトク要素である。

しかも、シェリフなどは初リメイク!
ということで『スマブラDX』のフィギュアで
初めてシェリフを知った私はかなり熱中してしまった。
まあ、これらのゲームの奥深さは自明のことであるから
この場で記すべきものではないが…。


■総評

最後となるが、
なぜ瞬間的なミニゲームばかりを集約させたこのゲームが
ここまでやりこめる中毒性を持ったのか?

私はそのことについて考え、その結果、ある考えにたどり着いた。


『メイドインワリオ』の全てのゲームを見てみると、
スコアに上限がほとんどない。

しかも、ゲーム自体は単純であり、簡単である。
このことによって、プレイヤーは純粋にスコアを伸ばしたい
という欲求に駆られる。

ゲーム自体が簡単ならば、スコアはいくらでも伸ばせる!
こういった部分が多くのゲーマーを中毒にさせた
原因のひとつではないだろうか?


結局のところ、
プチゲームはクリアするごとに難易度が上がっていくため
よほど頑張らないとたいしたスコアは出せない。
「出来そうだ!」とゲーマーを錯覚させることによって
やりこませるということである。


よって本作は、
良い意味でユーザーの心理をついた、
”究極のシンプルゲーム”と言える。


よくこんなゲームを考え付いたものだ…。


Nohm (2005)

■発売日:2003年3月21日 ■メーカー:任天堂
MOTHER 1+2 ゲームボーイアドバンス(GBA)
公式サイト

ほぼ日刊イトイ新聞」でも知られる糸井重里氏が手がける、
ちょっとミステリアスな世界観を持つRPG、
『MOTHER』(まざー)シリーズ。

今作は、シリーズ最新作『3』の開発再開の発表とともに
前2作をGBAに完全移植したものである。


≪操作面≫に関して。

『1』の方は新たにダッシュが追加されている。
だが、『1』のダッシュに慣れてしまうと
『2』のプレイ時に移動スピードが遅いと感じるかもしれない。


≪グラフィック≫に関して。

『1』はバグ等が改善されて、ダッシュ機能がついた!
…とは言うものの、ファミコンそのままのグラフィックは
さすがに粗さ・古臭さが目立っている。
多少の手直しはしてもよかった気はするが。

『2』はスーパーファミコン末期に発売されたため
グラフィックのクオリティも非常に高く、
さらにアドバンス版でも忠実に再現されている。


≪音楽≫に関して。

音楽はシリーズのひとつのテーマであり、
ユーザーから定評もあるだけに耳に残るモノが多い。
ただ、ゲームボーイアドバンスのハードの特性上、
若干音響のクオリティが落ちてしまっているが
割り切った方が良いかもしれない。


≪戦闘システム≫に関して。

『1』はかなりエンカウント率が高め。
敵も理不尽な攻撃が多く、難易度は決して低くない。
戦闘システムはオーソドックスなコマンド形式となってる。

『2』はいわゆる、
他のドラクエ等のRPGに多くみられる
「ランダムエンカウント」ではなく、
モンスターにぶつかると戦闘開始となる
「シンボルエンカウント」を採用。

敵の背後からぶつかると先制攻撃が出来たり、
相手が弱いと戦闘が省略されて経験値が手に入ったりと
ストレスなくプレイできる配慮もなされている。


さらに『2』の戦闘には
画期的なシステムが採用されている。

例えばHPの残量が50しかなく、
敵の攻撃で80ダメージをくらってしまったら、
普通のRPGではすぐに戦闘不能になってしまう。

しかし、『2』ではHPのパラメーターが
リール上(スロットみたいな感じ)になっていて、
ダメージを受けるとそのリールがくるくるとまわって減っていく。
リールが回っている間は仮に致命的なダメージをくらっても、
戦闘不能にはならないのである。

HP残量が100しかないのに、
300ダメージをくらってしまったとしても、
数値が0になる前に回復してしまえばよいということである。


■総評

『1』『2』はともに古いゲームである。
2003年の時点で『2』ですら10年近く前のソフト。
やはり印象的には「旧世代」ゲームということになる。


もちろん「古臭い」ということを批判しているわけではない。

焦点となるのは、

「今回の移植がどのユーザー層に対して向けられたものなのか?」

ということ。

古くからのマザーファンにも、
そして新規ユーザーにも手にとってもらいたい。

しかし、グラフィックひとつをとってみても、
古くからのユーザーにとっては「懐かしい」、
新規ユーザーにとっては「古臭い」という印象を受けてしまう。

ならば両者を納得させるためには、
グラフィックを改善すればよかったのか?
…というと、必ずしもそうとは言い切れないだろう。


「ファミコンミニ」シリーズのように、
ファミコン世代のユーザーを中心にターゲットとする場合であれば、
あえてバグ等の改善はしない完全移植が好まれるということは、
同シリーズで実証された。

しかし、本作のような
「ユーザー拡大を狙う移植作品」というものは、
なかなか容易にはいかないように思える。


Suifu (2005)

■発売日:2003年6月20日 ■メーカー:任天堂
星のカービィ 鏡の大迷宮 ゲームボーイアドバンス(GBA)
公式サイト

待望のカービィのアクションゲームの最新作!

前作の批評でもしつこいぐらいに書いたが、
カービィのゲームは2Dがベストである。
なんでも3Dにすればいいってもんじゃない。


ちなみのこのゲームは、
かつてのカービィの伝統を守りつつ、
新しく奇抜な要素が盛り込まれている
意欲作である。

今まで同様にサウンドテストは健在であるが、
ゲーム中の「サウンドプレイヤー」を入手しないと
サウンドを聞くことはできず、
「がくふ」のアイテムを取るごとに
聞ける曲が増えるというアイデアもなかなか良い。

また、「カラースプレー」というアイテムをとると
オプションでカービィの色を変えられるというのもGOOD。


■ゲーム紹介

さて、本編の批評に入るが、
このゲームは
≪大迷宮というだけあって、
ステージの構造が複雑でなかなか迷う。

具体的に文面で説明するのは難しいので、
説明書から文面をそのままパクリ引用する(一部改変)。



 [1] ゲームスタート

ゲームを始めると、スタート地点に
各エリアへつながるミラーがありますので入ってみましょう。
各エリアをクリアすると、ここに戻ってきます。
そして、新しく出現したミラーに入ることができます。

 [2] 略

 [3] かくされた道を開く

エリア内にはあらたなエリアへ通じる大きなスイッチがあります。
スイッチを押すと、他のエリアに通じるミラーが出現します。

 [4] 2種類のクリアパターン

 1.ボスを倒す

ボスを倒すと「鏡のかけら」が手に入ります。
(この鏡のかけらは、64のクリスタル的存在に
置かれているようですが、本質が異なると思います)

 2.ゴールする

各エリアにはいくつかのゴールが用意されておりゴールした場合、
恒例のボーナスゲームがプレイできます。

 (c2004 HAL Laboratory,Inc./Nintendo)



[3]について少しだけ補足。
他のエリアというのは必ずしも1つ先のエリアとは限らない。
例えばエリア1から2にいく場合もあるが、
エリア3や5などにもいける。

マップを手に入れればそれほど迷うことはないが、
背景に結構だまされる。
右下のステージ名をしっかり把握しておいたほうが良い。

ちなみにマップを取ってしまえば、
もうそのステージはクリアしたも同然で
すぐにボスにたどり着くことができる。


今作の特徴として
携帯で仲間を呼ぶことができる。
ソフトを持っているほかの友達と協力してゲームを進められる。

私はそれをやっていないが、
1人でプレイすると何かと難しいところがちょびっとあるため、
仲間を呼ぶことは必須かもしれない?


また、今作では「ファイター」「コック」といった
懐かしいコピー能力が多く出てくる。

「スマブラ」という
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』とほぼ同じ
能力をそろえたカービィは、結構操作することが快感。
『鏡の大迷宮』なのに「ミラー」がないのはナゾである。


ステージ構造は、どのエリアにもいけるというのが特徴。
私も1日目でいきなり最終エリアの「エリア9」にいくことができた。

プレイヤーはそういう意味では開放感に満ちているかもしれないが、
すべてのエリアを繋げたことによって
難易度の高低があまり感じられなかった。

もしかすると、GBのカービィに慣れている人ならば
1日で完全クリアできるかもしれない。

そういう意味で考えると、
このゲームは今までのカービィのアクションの中で
最易の部類に入るかもしれない?


今作では「鏡のかけら」というアイテムを集めなければならない。
しかし、この鏡のかけらは各エリアのボスを倒すだけで、
いとも簡単に手に入ってしまう。

今作のステージには「宝箱」があり、
完全クリアにはその宝箱を全て開けなければならないが、
少なくとも宝箱を全て開けないと鏡のかけらは手に入らないなど、
ひねった条件がもう少し欲しかったところ。

これまでのシリーズでは
ラスボスにたどり着くことさえ難しかったのだが…。


なお、名称は「ぼすぶっち」ではないが
「勝ち抜きボスバトル」というのがある。
デラックスの「格闘王への道」に近い。


おなじみのキャラが今回は少なかったような気がする。
「ボム」の能力があるのに「ポピーブロス」がいなかったり、
「ファイター」の能力があるのに「ナックルジョー」
(こいつはおなじみではない?)がいなかったり…
ある意味、カービィ新時代突入の予感?
タイトルも、少し変わっているし…。


■総評

長々と述べてきましたが、このあたりで締め括りたい。
全体的にみると、
このゲームはかなり難しいと思われる。
(言ってることが違うじゃねぇーカー!)

ラスボスの粘り強さもあるが、
最初のステージから易しさが感じられなかった。

上記の「最易の部類にはいるかも?」は、
カービィをずっとプレイしていて慣れている私個人の意見であって、
エリアが変わっても難易度はあまり変わらないため、
初めての人には難しいと思われる。


Nohm (2004)

■発売日:2004年4月15日 ■メーカー:任天堂


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