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レビュー:ウィー [Wii]
スーパーマリオギャラクシー ウィー(Wii)
公式サイト

◆ メーカー ... 任天堂
◆ 発売日 ... 2007年11月1日
◆ 販売価格 ... 5800円(税込)

全国の,いや全世界のマリオファンが待ちに待ったシリーズ最新作。
それがこの『スーパーマリオギャラクシー』である。

前作の『スーパーマリオサンシャイン』が
2002年の発売であるから実に6年ぶりの正統的続編となる。
それだけに,本作に対するマリオファンの期待は
かなりのものであっただろう。


■特徴

マリオ64では「絵」,
マリオサンシャインでは「島」が
ステージになっているのに対し,
本作はタイトルに“ギャラクシー”とあるように
銀河」が舞台となっている。


ここで注目してもらいたいのが,

「星」ではなく「銀河」である
ということ。

ご存じのように銀河というものは複数の星から形成される。
本作では,ひとつのステージが複数の星からなっており,
マリオはその星を駆け巡りながらパワースターを集めることになる。


また,ステージが銀河であるから一般的な重力は成り立たない。
ステージを形成する星それぞれが「引力」を持っており,
マリオはその引力に従うことになる。

わかりやすくいえば,
地上のように“上”や“下”という向きは存在しない。
マリオの落下方向も画面の“下”とは限らないということである。


基本的なマリオのアクションは継承されているが,
パンチやキックなどの攻撃アクションはすべて削除され,
マリオの攻撃アクションは,Wiiリモコンを振ることによって
繰り出すことができる「スピン」のみとなった。
また,マリオの基本体力は3に下げられている。

新たなアイテムとして「スターピース」
(マリオRPGのときのものとは別物)というアイテムが登場した。
これは,ステージに多数落ちており,50個取るごとに1UPする。

また,パワースターを取ることによって
持ち帰ることができ,持ち帰ったスターピースを
「チコ(星の子)」に食べさせることによって,
特別ステージで遊ぶことができるようになる。


■ステージ構成

1ステージに対してマリオ64ではパワースターが7枚,
サンシャインではシャインが10枚であったのに対し,
本作では1ステージに対してパワースターが(原則)6枚となっている。
ステージ数もサンシャインの7から64と同じの15に戻った。

ステージには「天文台」と呼ばれる施設を通して飛ぶことができる。
天文台はマリオ64におけるフロアのようなもので,
これによりステージは大きく区切られている。


また各ステージには
「いたずらコメット」と呼ばれる彗星が飛来する場合があり,
これが飛来している間,そのステージですでに獲得したパワースターを
条件付き
(条件は制限時間をかけられたり,体力が1になったり,
仕掛けが速く動いたり,…)
で再トライすることになる。


一定数のパワースターを手に入れることによって,
ステージが増えていく構成は従来どおり。

クッパやクッパjr.を倒すと
グランドスターを取り戻すことができ,
そのたびに使用できる天文台が増える。
途中にクッパ戦などが入っていることから,
マリオ64の構成に近くなっている印象を受ける。


シリーズ恒例であった100枚コインのスターは
コインの数が激減したことにより廃止され,
その代わり,いたずらコメットによるミッションで
パープルコインを100枚集めるものに差し替えられた。

(ステージによってはさらに制限時間などの制約が入る)

また,赤コインを8枚集めるミッションも廃止された。


■難易度

とにかく,

“画面の下に落ちる”というアクションゲームの常識は,
このゲームでは通用しない。
場所によっては重力が複雑に交錯している場合もある。

画面に対して
コントロールスティックを倒したほうにマリオは進んでいくので,
重力が変わると,どちらにスティックを倒したら良いのかが
わからなくなる場合がある。

しかし,その分ステージの仕掛けは易しくなっている。
また,中継点がかなり細かく設定されており,
ミスしても途中から再開出来る場合が多い。

全体の難易度としては

サンシャイン > ギャラクシー > 64

といったところか。
(※あくまでも“マリオ”での完全クリアの難易度)


■ネタばれ“なし”総評


ステージ構成を見る限りでは,
このゲームはどちらかというとマリオ64に近いイメージがある。
『スーパーマリオ64』の正統的続編と称したのもそのためかもしれない。

スターピースの登場によって,
コインが“貴重品”と化してしまった点はマリオらしくない。


また,いたずらコメットによるミッションを遂行する場合,
ミスすると否応なくステージの最初に戻される。

中継点を多く設定している分,
通常のミッションといたずらコメットによる
ミッションの難易度に大きな開きがあるように思えた。
アクションゲーム初心者には少し厳しかったのではないか。


また,唯一の攻撃手段であるスピンが
リモコン振りでしか繰り出せないのもつらいものがある。

リモコンを振る動作はボタン操作に比べてはるかに精度が劣るため,
タイミングがシビアになると思わぬミスをする場合が多い。

ゲーム初心者向けに
わかりやすさを重視した設定であるとは思うが,
アクションゲーム常連者としては
ここはボタン操作にしてほしかった。

しかし舞台を銀河にしたことによって,
アクションゲームの常識を根本から覆した試み
新鮮であり,評価に値する。

私としては及第点以上であり,
十分楽しむことはできたと思っている。


 
※以下,ネタばれ要素アリの内容です


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Nohm
(2008)



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