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ポケモン10周年記念コラム
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ポケモンの“これまで”を振り返り,”これから”を考える


Nohm



   

ポケットモンスターは2006年2月27日で
≪10周年≫を迎えることとなりました。


そもそも、ポケットモンスターの原案は,
1990年に田尻氏によって「カプセルモンスター(仮)」という名称で
任天堂の東京事務所に持ち込まれました。

モンスターボールが「ガシャポン」のカプセルに似ているのは,
このためだったのです。

しかし「カプセル」という語が商標などでややこしくなりそうであったため,
「ポケットモンスター」と改称されました。

もしも,このゲームが「カプセルモンスター」という名称だったのならば、
略称は「カプモン」。かな〜りヒットしそうにない名称です。
この商標の問題,それに伴う変更は逆にプラス効果となったわけです。

   

全てが始まったのが
1996年2月27日
この日に『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されました。

ポケモンが発売されたときの出荷本数が
とてつもなく少なかったということは,
別コラム『「ポケットモンスター」の軌跡』にも書きました。

初代の151種類の中には(いろんな意味で)
ヤバイ名称のポケモンが何匹も見られます。

コイル → レアコイル,ディグダ → ダグトリオ
 3匹になっただけじゃねーか!

ドードー → ドードリオ
 
首が1つ増えただけだろ!

ジュゴン,ゴースト,フリーザー,サンダー,ファイヤー
 そのまんまじゃねえか!

…突っ込みどころは多々あります。

   

『ポケモン赤・緑』は大いにヒットしました。
次回作の金銀が出るまでに出たソフトは数多く,
覚え書きではとても網羅できそうにありません。

ポケモンがテレビアニメで放送された際に

ポケモンは「ビジネス」へと変貌しました。

今ではポケモンのライセンスを巡って
小国の国家予算並みのお金が動いているといいます。

1998年,携帯ゲームの革命がおきました。
『ポケモンスタジアム』の発売により,
携帯ゲームと据え置き型ゲームのデータのやり取りが可能になったのです!
かなり画期的なシステムでした。

   

1999年11月21日に『ポケモン金・銀』が発売され,
ゲームの世界がようやく広がりました。

追加された新たな100匹を見てみると,
先述したようなヤバイポケモンは見当たらなくなっています。

このときポケモンは既に,
任天堂などのゲーム会社だけのものではなくなっていました。

   

『金・銀』は前作との互換性もあり,
ユーザーはすんなりと新たな世界に入り込めたことでしょう。
このあたりから
ポケモンの構想プロセスは変貌を遂げています。
アニメで初登場するポケモンが登場し始めたのです。

こうなると,アニメに登場させるときも気をつけなければなりません。
暴れさせすぎると,ゲームに入れるときの設定が大変になってしまいます。
ゲームフリークの話によると,ルギアを入れるときは
かなり大変だったそうです。

このときから,ポケモンのゲームとアニメは
表裏一体の関係で結ばれるようになったと言えるでしょう。

どちらがホンモノのポケモンか?ということではなく,
両方ともホンモノのポケモンの世界であるということです。

   

製作者は『金・銀』発売の際に,「色」から「金属」にすりかえています。
ユーザーが「金・銀」を「色」と認識していたのを逆手に,
「金属」という解釈で,ポケモン金銀の追加版は
「クリスタル」ということになりました。
このクリスタルは,スイクンの頭についているクリスタルを指します。

『クリスタル』の発売,そして「モバイルシステム」によって
ポケモンバトルの範囲が一時的に広がりました。

別コラム『モバイルシステムGBのすべて』にも書きましたが,
ポケモンの通信対戦のオンライン化を示唆する出来事と言えます。

おそらく『ダイヤモンド・パール』は
Wi-fi通信に対応したものとなるのではないでしょうか。

   

2002年,ポケモンは大きな変貌を遂げます。
『ポケットモンスター ルビー・サファイア』が発売されました。

ポケモンがGBAに登場するとき,
誰もがいままでのポケモンと通信できると信じていたことでしょう。
ところが,それが不可能であると知らされたとき,
多くの人が落胆したに違いありません。

さらに『ルビー・サファイア』には
前作の全てのポケモンが登場するわけでもありませんでした。


しかしながら前作のポケモンが使えない苦痛は一時的なことで,
『ファイアレッド・リーフグリーン』の登場より
使えるポケモンは一気に広がりました。
この選択はポケモンの“これから”を考えた賢明なものといえるでしょう。

   

2004年,『ポケットモンスター エメラルド』の発売,
新要素「バトルフロンティア」が
ポケモンバトルの新たな可能性を示唆してくれました。

その後も『ポケモン不思議のダンジョン』,『ポケモンレンジャー』など
ポケモンの世界の広がりはとどまるところを知りません。


ポケモンの”これまで”はこのような感じでしょう。
今年になって,私のポケモン暦は人生の過半となってしまいました。

   

次に,ポケモンの
“これから”を考えてみましょう。
まず,今まで通りゲームがアニメと表裏一体であるという関係は
当然のことながら維持されるでしょう。

そして,
次回作で何匹のポケモンが増えるのか?
ポケモンの数が大幅に増えるのはこれが最後ではないか?
というのが私の考えです。

具体的には450種類近くまで増えると思われます。
ここまできたら限界でしょう。

しかし,ポケモンの本当の楽しみ方はストーリーだけではありません。
見たことのないポケモンと遭遇する緊張感なども
ポケモンの1つの楽しみと言えます。

よって,
新作が出来るごとに新ポケモンを追加することはやむを得ません。

ポケモンの数が増える次回作はポケモンの本当の正念場ではありません。
ポケモンの種類が限界近くに達した後,
すなわち次々回作あたりが,ポケモンの本当の勝負時となることでしょう。

どこまでポケモンブランドの寿命を延ばせるのか?
それとも永遠の生命を得ることが出来るのか?
…すべてはゲームフリークにかかっているのです。


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